アガ・カーン センター

アガ・カーンセンターは、キングスクロス駅とセントパンクラス国際駅の北に位置する大規模再開発、キングスクロス・セントラルの中心部に建つ。 2つの大学、AKU(AGA KHAN UNIVERSITY)、IIS(INSTITUTE OF ISMAILI STUDIES)と西欧の中でイスラムの理解を広めるための様々な活動を行っているアガ・カーン開発ネットワークのイギリス本部がある。ここでは教育学習、収蔵、研究、開発活動がなされ、ロンドンでの活動拠点で、アガ・カーンの多様な価値観を体現している。
イギリスの遺産であるキングスクロス再開発のマスタープランは、人々にとって最適な条件を満たし、都市生活を改善、向上させることを目的とした、人間中心の都市開発のビジョンに基づいている。この開発では、歴史的建造物は再生または転用され、歩行者のための広場と公園で構成された公共のオープンスペースのネットワークが提供され、域内の道路の車両通行を最小限に抑えるように計画されている。
外観は古典的な三層構成で構成されている。伝統的なイギリスの公共建物にならい、三層構成のボディー部は白いライムストーンで仕上げられ、開口は外装とフラッシュで白いセラミックフリットを施すことで白い塊として表現されている。さらに庭園によって削り取られ彫刻的な形態となっている。さらに公共スペースであるベース部を凹んだガラスカーテンウォールにすることで浮遊した石のボディーとして表現している。
この建物にはさまざまな地域、時代のイスラム社会と文化の多様性を表現し、室内の用途と関係づけられた、6つ庭園、中庭、テラスが立体的に配置されている。10層吹き抜けのアトリウムは秩序だって内外スペースを繋ぎながら展開する。上部にスカイライトを持ち内部に光を取り込む役割と同時に三つの組織の対話を促すためのコミュニティリビングルームである。さらに最上階でロンドン市街を望むイベントスペースにつながる。
この建物は、現代建築言語で近代的なロンドンの文脈を考慮した建築解釈と豊かなイスラム文化遺産の両方を表現している。同時にイギリスで最初の、イギリス、ヨーロッパの職人技と槇事務所のデザインのアンサンブルでもある。

所在地: イギリス ロンドン ハンディサイド ストリート 10
完成年: 2018
用途: 学校(大学・大学院) 図書館 研究施設
主要構造: 鉄骨造/一部鉄筋コンクリート造
階数: 地上10階/地下2階
敷地面積: 1,170m²
建築面積: 1,170m²
延床面積: 10,929.8m²
設計協力: ガーディナー アンド ティオバルド / アライズ アン モリソン
構造設計: エクスペディション エンジニアリング
設備設計: アラップ